拳銃を手に握る。
リボルバー。
銃口を自分に向け、口にくわえる。
照星が舌に引っかかって、少し痛いと思う。
瞼を閉じる。
震えはない。
恐怖もない。
銃爪を引く。
雷管が火薬を爆発燃焼させ、鉛玉を凄まじい勢いで吹き飛ばす。
衝撃。
知覚できぬほどの豪速で、自分の脳幹を粉々に破壊される。
意識はあっという間に切断される。
暗闇で。
気持ち悪くなって……本当に、どうしようもなく気持ち悪くなって。
死んだことも分からない。
……というよりは、死んでなどいない。
生きている。
奇跡ではなく、必然でもなく、ただの宿命である。
さあ、己の力は見せた。これ以上ないほどに分かりやすく、見せてやったぞ。
だから次は、己の技を魅せよう。
練りに練り上げ、鍛えに鍛え上げた。……まさに、執念の結晶のような技を。
「神刀白山流――押刃鋼、参る」